
実はこの本を買って途中まで読んでいたところ、帰宅電車の中に
忘れてしまい、また本屋で買ってきました…。今まで本だけは
忘れたことはなかったんですが、ちょっとボンヤリと考えることが
あったもので…。
そして、読み終わって1冊分余分に買ってしまったことも後悔しない
作品でした。
甘〜いロマンス物にはない面白さをすごく感じた作品でした。甘いモノも
時にはいいんですが、最近は甘いだけの作品が多くて食傷気味だっただけに
読んでいてとても新鮮さを感じてしまいました。
まずは読み始めてからすぐに思ったことが、このヒーローの設定が面白い
なぁ〜ということ。
まずは彼を放蕩者として有名にしているパーティーの数々について。
放蕩者の乱痴気騒ぎというのは色々なヒストリカル物によく出てくる表現
ですが、どんな類のものかはオブラードに包んだ表現の作品が多い中、
作品中にもあったデカダンという言葉がピッタリなパーティーを好んで
開いていたヒーローを描いているところには、ちょっとこれまでと違うかも…
と思いました。
そして、彼が偏愛するエロチックな芸術品の数々について。
ともすれば、こういう作品を集めているキャラを描くと、それは2人のベッド
シーンでの単なる味付けにされがちなんですが、この作品にはそれがないん
ですよね。
こういったものを偏愛する人物を肯定的に描いてるところは本当に面白
いな…と思って作者の経歴を見たら、美術史のセンセイなんですね。納得。
新作家や気になる作品が翻訳される時は発売前によくプレヴューを見て
どんな評判かを前もってざっと見ているんですが、不道徳だと書いて
いるヒトが結構いた理由はこんなヒーローの趣味趣向のところなんでしょうか…。
清教徒的な価値観の人達にとってはそんなヒーロはダメなのかも…。
ロマンスとしては至極まともな展開で進んでいくので、変なストレスもなく読んで
いけました。でも展開はロマンスなんですが、そこに描かれるヒロインとヒーローは
ちょっとロマンスの主人公達にしては甘さがない描かれ方なので、そこに物足り
なさを感じる人達もいるのかなぁ〜と発売後の巷の評判を見て思いました。
私としては全く問題なくロマンスしていて面白かったんですが…。
これも気に入った作品しか思わないことですが、このヒーローの友人達の
物語は是非読んでみたくなりました。特にダンテ・デュクレアがヒーローの作品
は面白そう。今作品のヒーローも脇役で登場するそうだし。その作品では
まだ現役バリバリの放蕩者だろうから(笑)。